温度管理を適切に行えば細菌が食品中で繁殖したり、ウイルスが混入して食中毒が起きるのを未然に防ぐことができます。食中毒の原因となる細菌にはサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌や腸管出血性大腸菌などがあります。これらは条件が揃うと食品の中で繁殖し食中毒を引き起こします。黄色ブドウ球菌は熱に強い毒素を作り出すので、食品の安全を守るには温度管理だけでなく総合的な衛生管理が重要です。

ノロウイルスやE型肝炎ウイルスなども食中毒の原因となりますが、細菌のように食品中で繁殖することはありません。一般的に細菌は気温が高くなる夏頃に繁殖しやすくなり、ウイルスは気温が低くなる冬頃に流行します。ウイルスは調理スタッフの手などを介して食品に付着し食中毒の原因になります。細菌とウイルスはいずれも熱に弱い性質があるので、適切な温度管理を行っていれば繁殖や付着を防ぐことができます。

企業が温度管理を怠って食中毒が発生すると、損害賠償を請求されるだけでなく社会的な信頼を失ってしまいます。一旦失われた信頼を取り戻すのは大変なので、温度管理を適切に行なって食品の安全を守らなければなりません。日本では2021年6月から、食品を扱う全ての企業にHACCPという衛生管理手法の導入と運用が義務付けられました。この手法を導入すると微生物や化学物質など様々な危害要因の分析を行い、適切な管理方法が定められます。

HACCPによる衛生管理を行えば細菌の繁殖やウイルスの付着、毒素の混入などを防ぐことができます。温度管理のことならこちら